河田町集合住宅
本建物は地上6階建てで、約10m×20mの長方形の平面構成をとり上階にいくにつれ長手が内側にややセットバックしていく形をとる。構造種別は鉄筋コンクリート造とし、構造形式は耐震壁つきラーメン構造とした。
- 竣工年 | 2018年
- 階数 | 地上8階
- 延床面積| 778㎡
- 構造種別| RC造
- 受注先 | MARU。architecture
- 資料提供| 撮影者:中村絵
・ べた基礎により支持された地上6階、地下1階建のRC造の建築物である。
・ 地下階は周囲の2/3以上土に接していないので、地震力算出にあたっては地上7階建としてAi分布を設定した。
・ 耐震・耐風に対する建物の抵抗形式は耐震壁つきラーメン構造とする。階数が5を超えるために法規的に壁式構造を採用できなかったが、意匠の要望である壁構造的な空間表現を構成するために柱と梁は耐震壁と同厚とした。
・ 主たる耐震要素である耐震壁は建物外周及び内部にバランス良く配置されている。
・ 建物形状は短辺約9m、長辺約18mの長方形に近い形状をしている。
・ 耐震壁の壁厚は200mm~300mmとしている。
・ 大部分は梁幅は壁厚と同厚、柱幅を壁厚と同厚としており、一箇所梁の上に耐震壁が乗る箇所は梁幅を大きくしている。必要な柱梁の幅、断面積については「鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説(2010)」に従い算出している。
・ 枠柱の下階に柱が配されない耐震壁は大部分ではないので、梁の設計用せん断力を存在応力の2倍に割り増す他は特別な配慮はしていない。
・ 軸力が大きい柱については溶接フープを配してコンクリートを拘束することでより大きな圧縮耐力を付加することとした。
・ 階段はB1階~4階、5階~6階がRC階段で、4階~5階は鉄骨階段としている。鉄骨階段は折り返しの踊場に柱を設けないトラス階段としている。
・1階が店舗であるのに対し2階から上階が集合住宅で用途が異なるために、平面計画上必要な壁の位置が上階と下階で全く異なっていた。
そのために耐震壁の位置を平面計画的に上下階で一致できなかったことが構造的に難しかったところである。
地震時に作用する耐震壁の枠柱の変動軸力を合理的に下階へ伝達させるため、枠柱だけはなるべく上下階で一致させるようにしてなんとか構造的に成立させた。
撮影者:中村絵
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